所沢市で過去に生前贈与を受けた方へ|相続税申告で加算される…

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親や祖父母が亡くなり、過去に生前贈与を受けていた場合、その贈与財産を相続税の計算へ加算することがあります。ただし、『亡くなる前7年分をすべて加算する』と一律に判断することはできません。

確認するポイントは、暦年課税と相続時精算課税のどちらを利用したか、贈与日、相続開始日、贈与を受けた人が相続や遺贈などで財産を取得したかです。所沢市で相続税申告を準備する方に向けて、2024年の制度改正後の取扱いを整理します。

最初に確認する4つの項目

  1. 亡くなった方と相続開始日
  2. 贈与者、贈与を受けた人、贈与日、財産の内容と価額
  3. 暦年課税か相続時精算課税か
  4. 贈与を受けた人が被相続人から相続・遺贈などで財産を取得したか

まず贈与税申告書、相続時精算課税選択届出書、贈与契約書、通帳を年ごとに集めます。申告していない少額の贈与も、分かる範囲で一覧にしてください。

暦年課税の生前贈与加算とは

暦年課税による贈与の加算対象者は、相続または遺贈などによって被相続人から財産を取得し、加算対象期間内にその被相続人から贈与を受けた人です。

対象期間内の贈与は、原則として贈与時の価額を相続税の課税価格へ加算します。贈与税がかからなかった年110万円以下の贈与でも、加算対象になることがあります。対象贈与について贈与税を納めていた場合は、一定の贈与税額を相続税額から控除します。

法定相続人だけが対象になる制度ではありません。たとえば孫が死亡保険金などのみなし相続財産を取得した場合には、過去の贈与が加算対象になり得ます。続柄だけで判断せず、被相続人から取得した財産を確認します。

7年への延長には経過措置がある

2024年1月1日以後の暦年課税による贈与から、加算対象期間は相続開始前7年以内へ延長されました。ただし、すべての相続について直ちに7年分を加算するわけではありません。

相続開始日 原則として確認する加算対象期間
2026年12月31日まで 相続開始前3年以内
2027年1月1日から2030年12月31日まで 2024年1月1日から相続開始日まで
2031年1月1日以後 相続開始前7年以内

したがって、2026年中に開始した相続では、暦年課税による生前贈与の加算対象期間は原則として相続開始前3年以内です。具体的な初日・末日や境界日の扱いは相続開始日から確認します。

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延長された部分の総額100万円控除

相続開始前3年以内より前の延長された期間については、その期間中の対象贈与財産の価額の合計から総額100万円までを加算しない取扱いがあります。

これは『毎年100万円』ではありません。また、贈与税の暦年課税における年110万円の基礎控除とも別の制度です。相続開始前3年以内の贈与部分から、この100万円を差し引くものでもありません。

年110万円以下の贈与も確認が必要

暦年課税では、その年に受けた贈与が基礎控除以下で贈与税申告が不要だった場合でも、加算対象期間内であれば相続税へ加算することがあります。

『毎年110万円以下だったから相続税には関係しない』とは判断せず、金額の小さい贈与も日付、贈与者、受贈者、入金先を一覧にします。

相続時精算課税を選択していた場合

相続時精算課税は暦年課税とは別の制度です。原則として、一定の年齢関係にある父母・祖父母などから子・孫などへの贈与について選択でき、贈与者ごとに適用します。一度選択すると、その贈与者からの贈与について暦年課税へ戻ることはできません。

2024年1月1日以後の相続時精算課税による贈与には、年110万円の基礎控除があります。複数の特定贈与者から同じ年に贈与を受けても、110万円は贈与者ごとに使えるのではなく、贈与額に応じて按分します。

基礎控除後には、特定贈与者ごとに累積2,500万円までの特別控除があります。2,500万円は毎年使える金額ではなく、期限内の贈与税申告など所定の手続きが必要です。これを単に『2,500万円まで非課税』と考えないようにしてください。

相続時精算課税の財産を相続時にどう扱うか

特定贈与者が亡くなったときは、相続時精算課税を適用した贈与財産を相続税の計算に加えます。2024年以後の贈与は、年ごとの贈与時価額の合計から年110万円の基礎控除額を差し引いた残額を加算するのが基本です。2023年以前の贈与には、この年110万円の基礎控除はありません。

暦年課税の『相続開始前7年』とは異なり、相続時精算課税は選択後の対象贈与を継続して管理します。納付済みの相続時精算課税分の贈与税は相続税から控除し、控除しきれない場合は、相続税申告により還付を受けられることがあります。

暦年課税と相続時精算課税を混同しない

確認項目 暦年課税 相続時精算課税
相続時の主な期間 加算対象期間と経過措置を確認 選択後の対象贈与を継続管理
年110万円 贈与税の基礎控除以下でも相続税へ加算される場合あり 2024年以後の年110万円基礎控除部分は原則として相続時に加算しない
届出 通常、選択届出は不要 最初の適用時に選択届出書が必要
制度変更 要件に応じ暦年課税 同じ贈与者について選択後は暦年課税へ戻せない

二つの制度に『110万円』が出てきますが、意味と相続時の扱いは異なります。

具体例で考える

2026年に相続が開始した場合

対象者が暦年課税で5年前と2年前に贈与を受けていた場合、2026年中に開始した相続では、原則として2年前の贈与が加算対象期間に入り、5年前の贈与は期間外です。実際の日付で判定してください。

2029年に相続が開始した場合

暦年課税では、経過措置により2024年1月1日から相続開始日までの対象贈与を確認します。そのうち相続開始前3年以内より前の部分について、合計から総額100万円の控除を検討します。

相続時精算課税による贈与の場合

2024年以後は、各年の贈与額から年110万円の基礎控除額を差し引いた残額を、相続時に加算するのが基本です。2023年以前の贈与とは分けて一覧にします。

これらは制度を説明するための単純化した例です。非課税特例や複数の贈与者などがある場合は個別に確認します。

名義預金との違い

この記事は、贈与が成立している財産を相続税の計算へ加算する取扱いを説明しています。一方、家族名義の口座であっても贈与が成立せず、実質的に被相続人が管理・所有していた場合は、名義預金として被相続人の相続財産になる可能性があります。

口座へ資金を移しただけで贈与が成立したとは限りません。贈与者と受贈者の認識、資金の出所、通帳の管理、受贈者が自由に使えたかなどを確認します。

相談時に用意したい資料

  • 贈与税申告書の控え、電子申告の受信通知
  • 相続時精算課税選択届出書の控え
  • 贈与契約書
  • 贈与者と受贈者双方の通帳・取引履歴
  • 贈与税の納付が分かる資料
  • 贈与日、贈与者、受贈者、財産、価額を年別にまとめた一覧
  • 不動産や株式を贈与した場合の評価資料
  • 住宅取得等資金、教育資金、結婚・子育て資金などの特例関係書類
  • 死亡保険金などの支払通知書
  • 遺言書や遺産分割協議書

資料が見つからなくても、分かる日付・金額・口座をメモし、相続税の申告期限を踏まえて早めに相談してください。一定の場合には、相続税申告に必要な贈与税申告内容を税務署へ開示請求できる制度もあります。

よくあるご質問

毎年110万円以下なら相続税にも関係しませんか?

暦年課税では、贈与税申告が不要だった贈与でも、加算対象期間内であれば相続税へ加算されることがあります。

孫への贈与は加算されませんか?

孫という続柄だけでは決まりません。孫が被相続人から相続・遺贈や死亡保険金などのみなし相続財産を取得したかを確認します。

現在は必ず7年分を加算しますか?

いいえ。経過措置があり、2026年中に開始した相続では原則として相続開始前3年以内です。

贈与税を納めていれば二重に課税されますか?

加算対象となった贈与について納めた一定の贈与税額は、相続税額から控除します。

相続時精算課税の年110万円も加算しますか?

2024年以後の相続時精算課税による贈与では、年110万円の基礎控除部分は原則として相続時の加算対象になりません。

まとめ

過去の生前贈与を確認するときは、暦年課税か相続時精算課税かを分け、相続開始日と贈与日、対象者、贈与財産の価額を整理します。7年への延長には経過措置があり、2026年中に開始した相続は原則3年以内です。

田代直人税理士事務所では、所沢市を中心に、生前贈与を含む相続税申告の初回無料相談を承っています。全国からのご相談にも対応しています。資料がすべてそろっていなくても、お問い合わせフォームまたは電話(050-1809-4005)からご相談ください。

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監修:税理士 田代直人/最終確認日:2026年9月11日。税制・様式・取扱いは変更されることがあります。個別の贈与日、相続開始日、適用制度について最新情報をご確認ください。

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