家族が亡くなった後に遺言書が見つかったら、すぐに内容どおり財産を動かす前に、遺言書の種類と必要な手続を確認します。遺言書の確認に時間がかかっても、相続税の申告期限が自動的に延びるわけではありません。
所沢市で相続税申告を準備する方へ、遺言書が見つかったときの最初の対応と、税務上確認したい事項を整理します。
最初に遺言書の種類と保管場所を確認する
遺言書には、自分で作成する自筆証書遺言、公証人が関与する公正証書遺言などがあります。自筆証書遺言でも、自宅などで保管されていたものと、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用したものでは、相続開始後の手続が異なります。
まず原本を安全に保管し、作成方法、保管場所、封印の有無を確認してください。写しだけが見つかった場合や、複数の遺言書が見つかった場合は、法律上どれを使うか個別の確認が必要です。
自宅で見つけた封印済みの遺言書は開封しない
裁判所の案内では、自宅などで見つかった自筆証書遺言は、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。封印された遺言書は、自分で開封せず、検認手続の中で開封します。
検認は、相続人に遺言書の存在と内容を知らせ、検認時点の遺言書の状態を明確にして偽造・変造を防ぐ手続です。遺言の有効・無効や、内容どおり実現できるかを最終判断する手続ではありません。内容について争いがある場合は、弁護士などへ相談します。
検認が不要な遺言書もある
公正証書遺言は家庭裁判所の検認が不要です。また、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管されていた自筆証書遺言も検認は不要です。
法務局保管の場合は、相続人や受遺者などが遺言書情報証明書の交付請求などを行います。自筆証書遺言だからすべて検認が必要、と一律に考えないようにしましょう。
遺言書があっても相続税の期限は10か月
相続税の申告・納税期限は、原則として、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。検認の完了、相続登記、遺言執行の完了まで自動的に延長されるものではありません。
遺言書の手続と並行して、財産・債務の調査、評価、相続税の申告要否の確認を進めます。遺言書に記載されていない財産が見つかった場合も、その財産を申告から外さないでください。
誰が何を取得するかを一覧にする
遺言書では、特定の財産を特定の人へ渡す内容や、財産を割合で取得させる内容などがあります。相続税申告では、相続人だけでなく、遺贈により財産を取得する相続人以外の人も確認します。
取得者の続柄によっては、相続税額の2割加算が関係する場合があります。また、生命保険金や死亡退職金の非課税枠などは、相続人かどうかで適用が異なることがあります。遺言に名前があるだけで、税務上も相続人と同じ扱いになるとは限りません。
遺言執行者がいる場合
遺言書に遺言執行者が指定されている場合は、財産目録や手続の進捗について確認します。ただし、遺言執行者がいるから相続人側で相続税申告の準備が不要になるわけではありません。
財産評価、債務、過去の贈与、各人が取得する財産など、税務申告に必要な情報を共有し、期限から逆算して進めます。
確認したい資料
- 遺言書原本または遺言書情報証明書、公正証書遺言の謄本
- 検認済証明書など検認関係の資料
- 亡くなった方と相続人・受遺者の関係が分かる戸籍資料
- 遺言書に記載された財産の根拠資料
- 遺言書に記載されていない財産・債務の資料
- 遺言執行者の連絡先と財産目録
- 生命保険金、死亡退職金、過去の贈与に関する資料
遺言書の内容だけで財産調査が完了したと考えず、預金、不動産、有価証券、現金、名義財産、債務などを別途確認しましょう。
よくあるご質問
封筒に入った遺言書を家族で開けてもよいですか?
封印された遺言書は自分で開封せず、家庭裁判所の検認手続を確認してください。既に開封してしまった場合も、そのままにせず家庭裁判所などへ相談します。
法務局に保管された自筆証書遺言も検認が必要ですか?
法務局の自筆証書遺言書保管制度で保管された遺言書は、家庭裁判所の検認が不要です。
検認が終わるまで相続税申告を待てますか?
相続税の期限は原則として死亡を知った日の翌日から10か月以内です。検認とは別に、財産調査と申告準備を進めます。
遺言書にない財産は申告しなくてよいですか?
いいえ。遺言書への記載の有無にかかわらず、相続税の対象となる財産は調査して申告に反映します。
まとめ
遺言書が見つかったら、種類、保管場所、封印の有無を確認します。自宅保管の自筆証書遺言は原則として検認が必要ですが、法務局保管の自筆証書遺言や公正証書遺言は検認不要です。同時に、相続税の10か月期限に向けて、取得者と財産全体の確認を進めましょう。
田代直人税理士事務所では、所沢市を中心に相続税申告の初回無料相談を承っています。全国からのご相談にも対応しています。遺言書が見つかり、誰が何を取得するか、相続税申告をどう進めるか分からない場合も、お問い合わせフォームまたは電話(050-1809-4005)からご相談ください。
監修:税理士 田代直人/最終確認日:2026年9月27日。遺言書の有効性、遺留分、遺言執行など法律上の判断は、必要に応じて弁護士・司法書士等へご確認ください。税務上の取扱いは最新の国税庁情報と原資料をご確認ください。







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